大工さんの借入れ(その6)

大工さんの借入れ(その6)
資金の使途が何より問われるんですね〜

国民生活金融公庫で借入れをする際に、決算書と同じように重要視されるのが「借りたお金を何に使うのか?」という点です。
別の言い方をすれば「なぜ借入れをする必要があるのか?」ということです。
山田さんの場合は、新たに改装工事を受注するための運転資金が必要なので借入れをしたいということになります。
このような事業拡大のための借入れというのは金融機関に最も納得してもらいやすい借入れの理由です。
【ここ重要ですよ〜 ↑】

なぜなら、事業拡大のためには先行して資金が必要になるのは当然と誰もが認めることだからです。
そして、資金投下後に売上代金が回収できれば、借りたお金の返済も当然可能になるためです。
反対に、業績が低迷していて廃業するための資金について借入れを申し込んでも、金融機関は貸してくれません。
なぜなら、このような資金は返済の見込みが立たないためです。
だから、「経費がかかりすぎて赤字なんです。貸してください」と頼みに行っても、頼まれた国民生活金融公庫も困ってしまうんですよ。
「どうやって、返してくれるの〜?」っていうことになりますから。
でも、ほんと、多いんですよ。
こういう方。
皆さんは、返済計画を話せるように事前に練習しておきましょうね。

山田さんのようなケースで最も気になるのは、新しく拡大した事業が順調に売上を伸ばし、利益を稼ぎ出すことができるかどうかが不透明な点です。
普通の銀行であれば、過去の実績を重視し、今後の成長といったものを少し割り引いて融資先を見る傾向があります。将来のことは誰にも見通せませんので、銀行のこのような姿勢は当然といえます。
では、国民生活金融公庫はどうかといいますと、将来の事業計画を前向きに検討してくれる傾向が強いといえます。
これは程度の問題ですが、国民生活金融公庫は我々中小零細事業者が立てた計画を頭から否定するようなことはせずに、借り手の話に耳を傾けてくれる姿勢がはっきりしています。
その意味でも、国民生活金融公庫中小零細企業の味方です。
ただし、国民生活金融公庫といえども将来予測を100%鵜呑みにすることはありませんので、ご注意を。
資金が調達できたとしても、計画通りの売上を達成できるとは限りません。
また、売上が上がっても、経費が同じだけ増加して利益が伸びないケースが多いことを国民生活金融公庫の担当者は経験上知っています。
ですから、山田さんの場合も国民生活金融公庫の担当者からその点について質問を受けることになります。
国民生活金融公庫に借入れの相談に行く際には、この点についてあらかじめ十分検討しておき、窓口でキチンと説明できるようにしておくことが必要ですね。

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